ドロップ降下の際、リップを落ちてゆく水の流れに船を委ねるとバウ(船首)が下がり、ランディング時に刺さって失速する。ブーフ(Boof)とは、リップを超える瞬間に一漕ぎすることでバウを持ち上げ、フラットに近い形でランディングすることで、速度を維持しながら下流方向へ抜けていくためのテクニックです。
ブーフに適したボート
パックラフトは、主にホワイトウォーター仕様とツーリング仕様に分類されるが、ロッカー(バウの反り)のあるホワイトウォーター仕様がブーフに適している。サイストラップがあれば、リーン(ボートを」左右に傾けること)がしやすく、なお良い。
ブーフしないとどうなるか
ブーフせず、あるいはブーフに失敗してバウが刺さってしまうと、マイナス方向に浮き上がり、ボイルを越えられず、最悪の場合、バックウォッシュに戻されてサーフィンすることになる。
サーフィンについては、落水と転覆のメカニズム:ホール編にて詳しく解説しています。
目的は、船首が深く潜るのを抑え、前へ進む勢いを保つこと。落ち込みの下にある、上流へ戻ろうとする流れに捕まりにくくするためにも使います。
映像では、ボートが水面から飛び出す派手な動きが目を引きます。でも、大きく飛ぶことだけがブーフではありません。小さな段差を越え、次の一漕ぎにつなげる場面でも役立ちます。
ブーフが必要なわけ
ブーフの目的は主に二つ、できるだけ遠くまで飛ぶこと。できるだけフラットに近い形でランディングすることで失速を防ぐこと。これを達成するためには、できるだけ高いリップから飛び出すことが大事だ。
ブーフを成功させるための4ステップ
STEP1:ドロップに接近しながらリップのあたりの水の流れをよく見る。
岩絡みのドロップであれば、岩の際が一段高くなっていることが多い。下図は断面図ではなくボートに乗った状態で上流側からドロップを見た図です。

STEP2:リップの傾斜に合わせてリーンする。
上の図を見ると、左の矢印の先がリップの高いところに到達するが、初めから左のラインに乗るのではなく、真ん中あたりから左のラインにアプローチし、リップの傾斜に合わせてリーンする。

ステップ3:スターン付近まで漕ぎ切りリーンを切り替える。
リップの奥の水をキャッチし、自分の体がリップを超えるタイミングで漕ぎ出し、スターン付近まで漕ぎ切ると同時にリーンを切り替える。
①方向の流れに対し、②方向に力を加えることにより、角度や力加減にもよるが、およそ1.5倍の力を得て③方向へ飛び出すことができる。

ブーフを動画でチェック
よくある失敗例
直前に慌てて浅い漕ぎを繰り返し、ブーフストロークのタイミングを逃す。
→リップが近づいてきたら、バウドローなどで角度の微調整をしながらタイミングを合わせる。
スターン付近まで漕ぎ切る際、上半身も後ろに移動し、後傾になってしまうことでバウが下がる。
→漕ぎ出しから漕ぎ終わりまで、両膝をへそに引きつけるイメージで漕ぐ。
バウがリップに到達したタイミングで、バウ付近から漕ぎ始めてしまい、漕ぎ終わってもまだスターンがリップを抜けない。
→体がリップに到達したタイミングで、バウからではなく体の横あたりから漕ぎ始める。
身近な練習方法
近くにドロップがなかったり、または、近く巻き返しの強い、失敗の許されないドロップしか無いような場合は、小波を使って練習することができます。
波の頂点をリップと想定し、体が頂点を超えるタイミングで波の裏側を漕ぎ、両膝を引きつける感覚を身に染み込ませると良いでしょう。

